このことが、「時間の矢」[時間が過去から未来へ向かってしか進まないこと]の問題をどのように解き明かしているというのだろうか。
簡単に言うと、時間が1つの方向に流れることは、記録が保存され、出来事が観察されることを可能にする。しかし、流れる方向が逆になると観察することはできない。したがって、時間は2つの方向のどちらにも流れ得る(ひょっとすると、同時に両方へ流れている可能性もある)が、あらゆる観察者(必ずしも人間とは限らない)にとって、時間を経験するということは、時間が未来へ向かって流れている場合にのみ可能となるのだ。
「不思議なんですけれども、日本とは違う売れ方をするんですよ。例えば、日本では玉露などはあまり売れないお茶ですが、パリでは玉露がよく売れます」
「『ギョクロをください』とはっきりとおっしゃる方もいますし、名前を覚えていなければ、『あのいちばん良いお茶はなんといいましたけっけ?』と。だから、玉露を入れるための道具一式を買う方もいらっしゃいます。どうやら、パリには、玉露愛好会というのがあるらしいですよ」
真紀さんの観察によれば、玉露を指名買いするのは、身なりのきちんとした男性が多いという傾向。もしかしたら、玉露はエグゼクティブなパリジャンたちの間で、密かなブームになっているのかもしれない。












